100万人リサイクル地域(100RR)モデル研究
<はじめに>
 平成14年4月、NPO環境テクノロジーセンターは、総合的な廃棄物処理システムのあり方を検討するため、「100万人リサイクル地域モデル」の研究に着手することを発表しました。平成14年度と15年度の2ヵ年を研究期間とし、全国の各地域においてあるべき新たな廃棄物処理システムを検討するに当たって現状に配慮した提案をするとともに、地域住民との建設的な対話のためのツールの構築を研究目的としています。
100RR(Million Recycling Region)とは?
100RRとは、人口100万人地域の家庭、産業から排出される廃棄物を総合的に処理・再資源化する新しい環境システムです。
循環型社会の構築と環境産業の創造を具現化するため、2001年4月から、全国に先駆けた新たな環境システムのモデル地域として人口100万人地域を対象とした「100万人リサイクル地域モデル研究」の検討を進めてきました。
この研究では、廃棄物全体の分別から物流・処理・リサイクル・副産物事業の各システムを個別に検討するだけでなく、全システムを連動させた総合システムの構築を目指しています。
また、廃棄物排出量やCO2削減量など、100RRに係わるあらゆる指標を数値化することで、システム導入前後の比較検討を容易にしました。
 さらに、100RRは単なる処理・再資源化のシステムと技術にとどまらず、環境監視システムや情報通信システムを取り入れた環境分野の総合的なシステム化を進めています。
これは行政、地域、企業、そして私どもETCが相互理解と協力関係を築き、広域地域における環境問題対策のあるべき姿を検討し実現するツールになると考えています。

100RRの特長
1.システム工学と最適化法を用いた地域総合環境システム
1キロメッシュごとに対象地域の廃棄物排出量を数値化し、分布図で表すことにより、物流や廃棄物処理施設の最適な配置の見通しが可能になります。
このことに加えて、対象地域の地形も検討することで、効率的かつ実用的な総合環境システムが構築できます。
2.最終処分”ゼロ”を目標とする総合処理システム
地域内で発生するあらゆる一般廃棄物、産業廃棄物を処理対象とし、最適処理によって最終処分廃棄物”ゼロ”を目標とするシステムを構築します。
ただし、既存ルートで処理されるリサイクルごみは処理対象から除きます。
3.廃棄物の清浄に合わせた分別収集、適正処理
廃棄物は、再利用が困難な可燃ごみ(発電ごみ)、厨芥ごみや間伐材、動植物性廃棄物等(有機資源ごみ)、リサイクルが困難な廃棄物(要適正処理ごみ)に分類し、高効率発電やバイオマスによるリサイクル、無害化処理と資源化を効率的に行います。
4.従来の範囲を超えた処理対象地域の広域化
市町村の枠を超えた広域化による大規模施設での大量処理によって、スケールメリットを生かした事業計画が立案でき、コストを削減し安価な処理価格の設定が可能となります。
5.広域処理を可能とするグリーン物流
特殊コンテナによる鉄道輸送を中心とした廃棄物のグリーン輸送システムを構築します。
6.複合循環システムの構築
各処理施設の密接な相互連携を行い、施設全体を無駄のない複合循環システムとします。
7.安全安心対策
最適処理のための廃棄物情報通信システムと環境監視システムを構築し、地域住民に対し適宜環境情報の開示を行います。

廃棄物を貴重な資源と捉える新しい環境システムとは?
100RR環境システムの流れ
廃棄物の適正処理と再資源化を行い、最終処分を限りなくゼロにするためには、廃棄物の性状別処理、グリーン物流、さらには施設特性に応じた最適規模計画と経済的な効率性等を総合的に勘案した全体計画、さらには処理施設間の機能を補完するため複合設置を進めることをご提案します。

地域との連携
100RRの実現には、まず行政、地域、企業など参加するメンバーの相互理解と協力関係を築くことが重要です。
1.確実な事業推進体制による運営を行う
一般廃棄物の処理責任を有する自治体や産業廃棄物の排出者・関係業者との協定を100RRプロジェクトを行う事業者とそれぞれ行うこと、副産物などの利用先を確保すること、さらに異業種による100RRプロジェクト参加企業・団体がそれぞれ得意分野での役割を担うことなどによって、ETCは確実にかつ永続的に事業が推進できる体制の構築を提案します。
2.地域との調和・安全性を確保する
地域と調和し、開かれた施設とするとともに、技術面でも信頼性の高いシステムを採用し、安全性を最優先した環境監視対策、運営体制を構築することが必要です。事業者は、その事業化にあたって、廃棄物情報の処理や環境監視に最先端の技術を活用し、必要な情報をタイムリーに公表していくことによって、地域からも信頼される事業運営を行うことが可能となります。


循環型社会・二酸化炭素削減への貢献
100RRの各処理施設を複合循環システムとすることで、廃棄物の受け入れから資源化・エネルギー回収・発電と送電・無害化・減量化・製品化・搬出までの一連の機能を持つことが可能となります。
これはまさに、循環型社会システムそのものであり、従来の火力発電所からの電力供給と、清掃工場での処理工程を一元化できます。
 また、廃棄物の種類に応じたリサイクル・処理システムを備えていることで、中間処理残さを別のシステムで処理することが可能となり、その結果、最終処分廃棄物ゼロを目標とすることができます。さらに、マテリアルリサイクルできない廃棄物からは、電気などのエネルギーを高効率に回収し安定的な電力供給と利用を行うこと、広域物流にはコンテナ利用の鉄道輸送を適用することで、環境負荷の軽減や二酸化炭素削減の貢献に寄与し地球環境時代の到来に備えることができます。