|
1. 一般廃棄物処理の民営化(100RRプロジェクト)について
ETCは、延べ約700回にわたる市町村との意見交換を実施してまいりました。その中で、ほとんどの市町村の財政基盤は悪化し、現在の経済状況下、税収が増大する見込みは考えにくい中、大きな投資をできる状況にないと言っている市町村がほとんどでありました。
一般廃棄物処理事業を自らおこなうことは、巨額の投資(10万人都市で100億円程度)が伴うことから、相当な無理があります。又、今後の経済の状況から、大幅な税収増も考えにくいことから、自区内(広域ブロック含む)処理を従来通り継続していくことは、市町村にとっていずれ限界が来ると考えており、早期の民営化の必要性を充分い認識しています。
ETCは、それらの現状を把握し、民営化構想を市町村に提案したところ、ほとんどの市町村は、積極的に勉強を開始し、7つの県で市町村の合同勉強会を実施しました。しかし、市町村が独自で判断をし、民営化事業を開始するには、以下の課題が生じました。
(1)
超広域の設定の場が現状の市町村の行政システムに無いため。市町村間の調整が取れない。
(2)
市町村内部で民営化の手続き(議会承認等)をすすめるには、環境省や県の意向が重視されるため、市町村単独での判断がしにくい。
(3)
事業の継続性・推進体制等の市町村の処理責任に係る評価判断が市町村職員の人材不足などにより難しい。
(4)
過去に前例がない為、国や県の政策的指導や事業法等のルールがないと一般廃棄物処理事業の民営化の決断はしにくい。
また、県は、市町村の財政事情は理解するも、
(1)
ダイオキシン対策における広域化政策で市町村指導を行ってきた為、急に政策を変更することはできない。(変更することは、政策の間違いとして責任問題となる。)
(2)
仮に市町村が民営化を希望したとしても、県が取り纏めをする法的根拠がない。廃棄物の処理責任は市町村にある為、県は口出しできず、あくまでも市町村の判断となる。
との意見を市町村に対し表明する県がほとんどであったため、市町村が独自で民営化を進めるに至りませんでした。
この状況を打破するために、国(環境省)の政策的指導が必要と考え、CO2削減、市町村・国の財政負担の大幅削減等を説明し、国の政策として取り上げてもらうよう要望して来ました。しかしながら、本構想を理解したとしても、政策の決定には相当の時間を要することが想定されます。
財政の問題は、早期に解決されるべき課題であり、一般廃棄物処理の民営化を実現する必要があります。その為、政府に対し早期実現を要望し、議員連盟を設立し一般廃棄物処理の民間事業化を促進していきます。
2.海外における廃棄物の適正処理化(タイ100RRプロジェクト)
ETCは、タイ王国進出の日本企業(以下、日本企業)、タイ王国の行政とのネットワークをベースに環境に関する調査を開始し、タイにおける日本企業のニーズ、タイ王国の廃棄物処理の実態、国民性などを踏まえ、日本企業を中心とする適正な廃棄物の処理・リサイクルを実現し、タイ王国に環境技術を移転するとの考えに基づき活動を行っています。
最初に環境意識の高い日本企業に面談し、環境課題(廃棄物の適正処理・リサイクル)の意識と、課題解決の考えについてヒアリング(述べ300社以上)を実施しました。
ヒアリングの中で、日本企業は、タイ王国における工場の廃棄物処理に関して、かなりの課題を抱えていることが判明しました。物理的に適正な廃棄物の処理施設(日本で言えば焼却炉)が不足しており、殆ど埋め立て処理されている状況です。
2005年以降タイ王国において、排出者責任を明確にした日本国同様のマニュフェスト制度が法整備されておりますが、実態は不明確な部分が多く、公害問題がいつ発生してもおかしくない状況にあります。日本企業は、日本と同じレベルの適正処理・リサイクルを実現したいと考えております。
タイ王国政府(工業省
産業廃棄物局)は環境問題の顕在化に伴い、前述のとおり法制度の整備はすすめたが、施設整備については民間ベースでの対応に期待しています。ETCは過去、何回も民間主導の廃棄物処理施設整備の具体化に関しタイ王国工業省等と協議を行い、前向きな対応を得ております。
一方、タイ王国の工業省(DIW)、環境研究研修センター(ERTC)などの面談によると、日本政府関連のタイ王国における環境関連の調査は過去何回も行われているが、その結果の具体的な進展が何もない。具体的な環境対策につながるものでなければ、無意味と考えています。
タイ王国政府と最大限の協力体制を築きながら、タイ王国における日本企業のニーズ、現地企業の廃棄物処理の実態、国民性などを踏まえ、環境循環型システムを構築し、廃棄物の適正処理を実現し、日本国内と同レベルの水準を実現することで、日本企業が安心してタイ王国を始めアジア諸国において経済活動が出来る基盤を構築するとともに、日本の環境技術の移転、ひいては日本の環境産業の発展に寄与することが求められます。
ETCはこの考えを具体化するため、日本企業が海外において、自ら環境問題を解決していく仕組みづくりを働きかけ、国家間で環境問題の解決に係る共同体制作りの活動を行っています。
3.海洋プロジェクト(船底観察点検ロボット)について
海洋資源の保全、調査研究の観点から、海洋探査ツールの開発に着手し、持ち運び可能な小型の観察ロボットの試作を行い、その実証実験の中で、官庁、民間船舶会社から小型で使いやすい船底の清掃ロボットの開発ニーズが出てきました。船舶の船底に藻や貝が付着すると船速が落ち、消費燃料が増大するため環境保全のための資源エネルギーの低減、CO2の削減が叫ばれる中、早期に解決しなければならない問題となっています。現在は、ドックに上げるか、潜水夫が海中に潜り清掃しているが、コスト、スピード、安全性の観点から常時行うことは出来ないのが現状です。そこで2008年度より、安価で持ち運びの可能な小型の清掃・観察ロボットの開発に着手し、九州工業大学との連携による基礎研究をほぼ終え、現在、実用化に向けた活動を行っています。官庁、民間船舶会社からのニーズが強いため、早期に実用化していく事としています。
船底観察清掃ロボットの紹介
|