ごあいさつ
平成20年3月
NPO環境テクノロジーセンター会長
    近 藤  次 郎

1.100RR活動について

  1. 状況は大きく前進している。

 我々の永年にわたる研究成果である「100RRシステム」は、「環境保全と経済の両立」を実現するという根本理念に加えて、その効率性や安全性ならびに二酸化炭素削減効果がここ数年、各方面から高い評価をいただいている。
 振り返れば、提言活動の初期においては、各地の自治体からも「従来の行政では想定していなかったシステムであったため、戸惑いのほうが大きかった」と聞いていた。
 しかしながら我々の事務局員や会員各位の地道で粘り強い提言活動が徐々に実を結びつつあり、多くの地域で具体的な事業化検討を始めている。
 しかも、ここ数年で地方財政の悪化が顕在化しており、特に各県の市町村や事務組合はますます財政的な窮地に陥るのが時間の問題とも言える状況である。
 従って、現在各自治体が投資し所有し稼動している処理施設の耐用年数が到来しつつあるところほど、我々が提唱する「100RRシステム」の事業参加に意欲を見せ始めているのが明らかになってきた。

 さらに、地球温暖化問題を解決する為の二酸化炭素排出の削減について、私も京都議定書について関わってきたこともあり、この100RRシステムの研究の中で、二酸化炭素削減については火力発電所の置き換え効果による二酸化炭素の大幅な削減効果があることが判明していることから、早期に二酸化炭素削減を実現する為に、全国により具体的な提案をしていく所存である。

 その状況下で具体的に顕著となってきた兆候を列挙すると、

 @各県下でも有力市町村ほど「県全体での広域処理になるほど自治体財政上の負担が大幅に減少する」というコスト意識を持ち、県下での「音頭とり」に意欲を見せている。

 A各県の県庁も従来の広域処理化計画等にこだわらず、この100RRシステムを最有力な選択肢として市町村を支援するとの姿勢を見せ始めている。

 B各県での事業化に中核的な事業主体となるべく、電力会社をはじめとする地元企業が積極的な意欲を現し  ている。

 一方でその対極ともいえる反応を資する地域もある。
 
 @現在推進している広域処理計画との整合性に苦しむ県もある。
 A事業化の中核としての地元企業にしても消極的な対応をみせるところもある。

 こうした2極化の傾向であるが、多数は現状の窮地を打破し、行政コストを低減させ、行政としての責任を全うしようとする意欲が強いことがうかがわれる。
 何よりも財政難に悩む全国自治体の「将来への健全化意欲」「税コスト意識の向上」「処理責任を果たすための民間活力の導入」という意識変革が基盤となっており、我々の提唱する「100RRシステム」の理念が理解され始めたものと言えよう。
 今後、この動きを更に全国全ての都道府県に拡大するべく、環境テクノロジーセンターの総力を挙げて活動していきたい。

●更なるスピードアップと事業具現化のために。

 この項の最後に、会員諸氏および事業関係者に次の2点を強く要望したい。
  @全国47の都道府県・1,851市町村のうち、既訪問は25都道府県に達したばかりであり、それらへの更なる   深化のための活動、および残る未訪問の道府県と市町村への訪問活動を急ぎ展開するために、会員諸氏   の絶大な協力と人的支援をお願いしたい。
  A我々の提唱する「100RRシステム」の事業化に向けては、「全国各地での実績とノウハウと意欲」を持つ事   業者が集結することが望ましい。それが本来の「民間活力」の集約となり得るのである。我々の理念に賛   同いただき事業化の一員として名乗りを上げる企業・団体を引き続き募りたい。

 

2.タイ・プロジェクトについて

●タイ進出の日本企業は「廃棄物の適正処理」に苦慮する状況にある。

 タイ王国には1300社に近い日本企業が進出し、自動車・同部品・電機・機械・化学など日本を代表するあらゆる業種の企業が広範な製造活動を行なっている。
 これらの国際的企業は、日本国内においてあらゆる事業活動で高度な環境方針を掲げ、工場廃棄物も「埋め立てゼロ、完全リサイクル」等をいち早く実現して社会貢献をしている。
 しかしながらタイにおいては、廃棄物処理の施設や事業者も適正処理には程遠く、やむをえずタイの現状に合わせたレベルの処理をしているが、このままではいずれ問題が顕在化し、内外世論の非難を浴びて企業活動に影響を及ぼすことを恐れているのが実情と聞いている。

●現実的な廃棄物処理事業の一刻も早い具現化が求められている。

 昨年以来、我々の事務局員は会員企業の協力も得つつ、これら日本企業の本社環境部門およびタイ現地の工場を鋭意訪問し、上記の課題の調査を行なってきた。その数は代表的な企業40社を超え、加えて7つの業界団体も訪問した。
 その結果、「調査研究の段階から具体的な事業化の提案が求められていること」が明らかになり、それら日本企業の要望に応えるべく、現在我々がその事業企画案を取りとめる作業を急いでいるところである。
 日本レベルの適正処理を実現するには、日本とタイとの合弁による資本出資と、処理委託を望む日本企業が会員となり、その預託金とによって立ち上げるのが合理的であるが、当然ながら日本企業の一部ではなく全体が会員となるほうが、タイとの国際協調の観点からも望ましいと思われる。

●国際協力と地球温暖化対策のためにも、日本政府の理解を求む

 このプロジェクトを実現するために、次のようにわが国政府への働きか  けを行なって行きたい。
 すなわち、タイにおける日本企業の廃棄物適正処理について、「政策課題としての取り上げ」、および、タイをモデルケースとした「ASEAN諸国における国際標準レベルの廃棄物処理対策の具体化と提唱」を要望して行きたい。
 これら国策の実現は、日本企業の安心安全対策の実現のみならず、国際的な共感を呼ぶとともに、わが国の対外的地位を高めることと確信する。

 

3. 私たちETCでは、その他に超小型・多機能センサの開発や海洋資源環境研究についての検討を行っております。
  超小型・多機能センサの開発は基本的研究段階を終了し、応用段階に入っていると同時に事業化へ向けて  の検討を開始している。
   この機器は100RRを実現する場合においても安全安心を確保するためには必要な機器であると同時に日   本全体の環境実態の解明、工業地域における環境監視等、応用範囲は広い。
   早急に事業化、商品化すべく、今後更に検討を行っていきます。
  海洋資源環境研究会は、海洋探査ツール(YAJIROBAY:やじろべい)1号機を設計し、来年度早々に進水させて、沿岸域の海中・海底映像、水質などの3次元方向のデータ収集を開始させることによって、今後の海洋に関わる科学発展や水産業振興など幅広く貢献する。

 

                                                              以 上